埼玉県立歴史と民俗の博物館友の会 会報 JUNO 177号
2024年(令和6年)10月10日 埼玉県立歴史と民俗の博物館友の会 発行 ☆さいたま市大宮区高鼻町4-219
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巻頭エッセイ

佃收先生の講演・「日本の古代史」を終えて

斉藤亨(理事/古代文化を考える会主宰)__

 「新しい視点で学ぶ日本の古代史」と銘打って2019年5月より始めた佃收先生による講演会は15回をもってこの8月に終えました。長きに亘って続けられたのは、ご参加くださった会員の皆様の熱意とご支援、先生の古代史解明のあくなき情熱と研究の成果を伝えようとする溢れんばかりのエネルギーがあったからに他ありません。長期に亘ってお付き合いくださった皆様に対し、「古代文化を考える会」のスタッフ一同ここに心から御礼と感謝を申し上げます。
 振り返ってみますと、講演では日本の古文書は固より中国や朝鮮の古文献をフルに活用し、物的証拠などとの比較検討によって論を進めていただきました。
 私たちは先生の講演を通じ① 歴史を研究するには「いつ」、「どこで」を究明することが最重要であること ② 理論(仮説)にデータを合わせるのではなく、データに理論を合わせるべきことなど「歴史研究」のあり方について、また ③ データや情報(資料等)による「根拠」を基に論を進めるべきこと ④ 「歴史研究」は多くの情報を集めることから始めるべきことなど多くのことを学びました。
 15回に及ぶ講演では倭人の誕生、「倭人」の渡来から始まって、8世紀の中程迄お話しいただきましたが、その過程で [今の「日本史」は『日本書紀』をそのまま史実としている。「歴史学者」は「日本の古代史」を「科学的論理的」に「検討」「検証」すべきである。]ということを繰り返し述べておられたことが心に残っています。
 「日本の古代史」で「定説・常識」になっている「説」の見直しの指摘は「日本の歴史を復元する」といった講演会のテーマにも沿うものでもありました。しかし何といっても特筆すべきは、「九州年号」と呼ばれるものを駆使して5世紀の「倭の五王」から7世紀末の天武王権までの王権の変遷を描き出し、日本の歴史の輪郭を見事明確にされたことであると思います。 最後に先生の講演が皆様の古代史研究や、遺跡探訪に少しでもお役に立つようであれば主催者側にとっても嬉しい限りです。いろいろありがとうございました。

[ 記事・写真を募集しています。]


◆会からのお知らせ◆◆

会の活動について

 11/03に理事会を開催

2024年(令和6年)11月3日(日・祝)午前10時より、博物館講座室で理事会(理事・監事・運営委員(旧サポーター)出席)を開催します。今後の企画や運営体制について協議を行います。午後は講演会になります。

会報の発行について

2024年4月から「Web会報」とし、会員宛てに送信する「Eメール方式」によるデジタル会報を2か月に一度のペースでお送りしていていますが、次号178号(2024年12月10日発行)は全会員に郵送による印刷版会報を発送し「会員更新手続きのお願い」を掲載、「振替払込用紙」を同封します。また、その次の翌年2月号には新年度の「会員証」の送付がありますので、この号も会報を印刷し、全会員に郵送による発送を行います。ご協力、よろしくお願いいたします。

●博物館からの寄稿や会員の皆様からの投稿は「Web会報」でも変わらず掲載できます。分量に縛られず、写真なども綺麗に掲載できますので、ぜひお寄せください。●定期的な会報とは別に、これまでお送りしていましたEメール形式でのお知らせは今後も必要に応じてすべての会員宛てに継続させていただきます。この会からのEメールに対しては直接の返信はとどきませんので、ホームぺージなどに記載してある<友の会への連絡フォーム>でご連絡ください。
●【注意】Web会報や会報連絡Eメールが届かない、あるいは不都合がある方は<友の会への連絡フォーム>でご連絡ください。

博物館ロビーの友の会「受付」について

2024年1月より博物館ロビーでの「友の会受付業務」を再開しています。原則として毎週日曜日だけになります。

友の会への連絡は「指定のフォーム」でお願いします(このEメールへの「返信」および友の会への直接の「電話連絡」はできません)
博物館の行事は、直接、博物館に連絡をお願いします。

友の会の活動についての質問や参加の申し込みは必ず友の会の指定のフォームからするようにお願いします。また、埼玉県立歴史と民俗の博物館(以下博物館)自体が行う講演会や見学会については博物館の規定に従って連絡をしてください。

友の会への連絡フォーム]

 ◆開催した行事の報告◆

  • 2024(令和6)-08-23(金) まち歩きクラブ
  • 2024(令和6)-09-01(日) 講演会(災害記憶遺産 ~水神、漂着神信仰、人柱伝承を読み解く)
  • 2024(令和6)-09-28(土) 古道探索倶楽部
 ◆今後の予定◆(それぞれの規定にしたがってご応募ください)
  • 2024(令和6)-10-25(金) まち歩きクラブ
  • 2024(令和6)-10-27(日) 円空仏研究会
  • 2024(令和6)-11-03(日) 講演会(総代官・大久保長安)
  • 2024(令和6)-11-09(土) 古道探索倶楽部
  • 2024(令和6)-11-13(水) プレミアム講座
  • 2024(令和6)-11-23(土・祝) 見学会(坂戸・東松山・吉見)
  • 2024(令和6)-11-29(金) まち歩きクラブ(越生)

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◆イベント案内◆ (規定にしたがってご応募ください)

* 情報は更新される可能性があります(イベントの募集終了・延期・中止など)。
* 実際の申し込みはこちらのリンクからお願いします →[ホームページのイベント案内]。

【区分】

■ 見学会 ■(埼玉県立歴史と民俗の博物館友の会主催)

【内容】

坂戸の大宮住吉神楽鑑賞と国指定重要文化財東松山「箭弓稲荷神社」を巡る

【詳細】 ○坂戸市塚越にある大宮住吉神社で新嘗祭に奉納される国選択無形民俗文化財である神楽を鑑賞します。江戸里神楽の影響を残した神楽で物語を身振り手振りで表現する無言劇で演劇性が高い。午前はほかに、大きな円墳の上に鎮座する勝呂神社を訪問します。7世紀後半この地は、古代官道「東山道武蔵路」が通り、県内最大規模の古代寺院「勝呂廃寺」がありました。
○午後は東松山市へ向かい、昼食後、箭弓稲荷神社を見学します。令和6年1月、本殿・幣殿・拝殿が江戸時代後期の神社建築の様相を良く残すことから国重要文化財に指定されました。その後、古墳時代末期に造られた横穴墓が並ぶ吉見百穴を訪問します。ここは、太平洋戦争末期、中島飛行機大宮工場の移転先として地下に大規模な軍需工場が造られました。資料展示館で内部のビデオが見られます。併設の埋蔵文化財センターでは出土品が展示されています。
【行程・見学先】ソニック発- (バス・徒歩)-大宮住吉神社-(徒歩)-勝呂神社古墳-(徒歩・バス)-紫雲閣東松山(昼食)・箭弓稲荷神社-(バス)-吉見百穴-(バス)-道の駅-ソニック着 (行程途中での降車はありません)
【日時】2024年(令和6年)11月23日(土・祝日) 雨天実施
【集合】午前8時30分 大宮駅西口・ソニックビル西側道路 (友の会旗が目印)
【要項・費用】 会員限定(家族・友人同伴可)
【締切】 11月10日 ≪定員になり次第、受付終了します≫
【参加費】 7,000円 (当日集金)
【定員】30名 先着順 歩きやすい靴・天候に応じた服装でお願いします。
【申込】 ①[ 申込フォーム]で連絡。
②「往復はがき」に、会員番号・氏名・住所・当日連絡できる電話番号・イベント名を明記。同伴者がいる場合は氏名。[宛先] 〒330-0854 さいたま市大宮区桜木町4-993-6-202 山本洋正宛
※集合場所がわからない場合「集合場所地図希望」と申込時に付記して下さい。

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【区分】

■ 講演会 ■(埼玉県立歴史と民俗の博物館友の会主催・埼玉県立歴史と民俗の博物館協力)

【テーマ】

大久保長安~鉱山開発・街道整備に残した実績と謎の生涯

【講師】和泉清司 氏(高崎経済大学名誉教授)
【詳細】 江戸幕府創成期を支えた総代官であり、特に世界遺産登録された佐渡金山(今年7月)や石見銀山(2007年)などの開発に手腕を発揮した大久保長安は、他にも中山道・東海道など伝馬交通制度の確立や検地・町立など幅広い業績で幕府の基礎を築いたとされますが、その死後に一族が過酷な断罪を受けるという波乱の生涯により多くの謎を残している人物です。今回は、徳川幕府成立期の経済社会史研究の第一人者である和泉清司先生に、日本の基礎をつくったともいえるこの時代の「総代官」の役割と、そのひとりである大久保長安の活動や人物像を解説していただきます。
(この講演では「江戸幕府創成期を支えた2人の総代官─伊奈忠次と大久保長安」を取り上げ、伊奈忠次については、次回、2025年2月に同じく和泉先生によるお話を予定しています)
【日時】2024(令和6)年11月3日(日・祝)13時30分~15時(開場13時)
【場所】埼玉県立歴史と民俗の博物館・講堂(東武アーバンパークライン=東武野田線=大宮公園駅下車)
【参加費】会員:500円 非会員:600円
【申込】 ①友の会ホームページの申込専用フォームより
[申込フォーム]
②往復はがきに、会員番号・氏名・住所・電話番号・イベント名を明記、返信面にも住所・氏名を記入し、「〒330-0803 さいたま市大宮区高鼻町4-219埼玉県立歴史と民俗の博物館友の会」へ。当日は返信葉書をお持ちください。

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【区分】

■ プレミアム講座 ■

【テーマ】

鷹 狩 (たかがり) の美術

【講師】井上 海 (いのうえうみ) 氏 (当館学芸員)
日本美術史、特に近世絵画がご専門。当館の展示担当です。NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け‐渋沢栄一のまなざし‐」や出張展示in深谷「書画から見よう栄一と惇忠」などの展示に携わってこられました。
【内容】 鷹狩は、訓練した猛禽類(もうきんるい) を野に放って獲物を捕らえる狩猟法です。古来、鷹は権力の象徴とされ、その鷹を操る鷹狩は、天皇や貴族、武家が好んで行いました。
鷹狩で活躍した鷹は、日本では古くから美術作品にも多く描かれてきました。権力の象徴として鷹の姿を描いたもの、獲物を捕らえる鷹の勇ましさを表現したもの、江戸時代の鷹狩の様子を物語るものなど、鷹にまつわる美術作品は実に様々です。鷹がいかに人々に親しまれ、敬意をもって扱われてきたのかを今に伝えています。講座では、鷹を描いた様々な美術作品を紹介します。(※令和6年10月19日(土)に実施する歴史民俗講座の増補版です)
(画像は、「鷹狩絵巻」上巻(部分)埼玉県立歴史と民俗の博物館蔵)
【日時】2024(令和6)年11月13日(水)14時30分~15時30分
(開場:14時) 注意:通常のプレミアム講座より遅い時間に設定されています。
【場所】埼玉県立歴史と民俗の博物館・講堂(東武アーバンパークライン=東武野田線=大宮公園駅下車)
【費用】参加費無料
【申込】 対象者を 会員または会員の関係者に限定します。
① 友の会ホームページの申込専用フォームより(11/8必着)
[ 申込フォーム]
②「通常ハガキ」で11/6必着。ハガキ代は63円から85円に値上げされていますのでご注意ください。イベント名(または開催日)・申込者の住所・氏名・電話番号・会員番号を明記し、〒330-0803 さいたま市大宮区高鼻町4-219埼玉県立歴史と民俗の博物館友の会宛て。返信はいたしません。お申込みいただければご参加いただけます。

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【区分】

■ 円空仏研究会 ■

【内容】弘福院(越谷市北越谷1-21-26)円空仏釈迦如来座像拝観
―微笑みの釈迦如来座像―
【概要】 弘福院の釈迦如来座像は、眼や眉を一本の筋で長く軽やかに引き入れ、口はわずかに開いて、にこやかに微笑んでいます。 像全体が単純な線によって彫られているにもかかわらず、お釈迦様の相はやわらかな笑みに満ちていて、拝観する人びとの心を魅了します。
【日時】2024年(令和6年)10月27日(日) 出発13時~解散15時頃
【集合】東武スカイツリーライン(伊勢崎線) 北越谷駅改札口周辺12時50分
【行程】北越谷駅 ― 弘福院 ― 香取神社(往時、日光街道の安全祈願)― 北越谷駅
【費用】拝観お礼代と保険代:800円(交通費は各自負担)
【問合せ】090-4965-8275 斉藤文孝
【申込】 [ 申込フォーム]
①友の会ホームページより申し込み
②Eメール 斉藤( fumitaka51@tbz.t-com.ne.jp)

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【区分】

■ 古道探索倶楽部 ■

【概要】第43回古道を訪ねて─中山道を行く(第8 回)
【日時】2024年(令和6年)11月9日(土) 集合9時30分~解散15時30分頃
【集合】JR高崎線 熊谷駅北口(正面口)改札周辺 9時30分
【行程】JR熊谷駅―高城神社―聖公会―八木橋デパート―秩父道道しるべ石碑―新島一里塚・摩多利神―忍領石標―籠原駅
【その他】歩行距離は約10㎞、史跡巡りを入れると11㎞です。弁当と飲み物は必ず事前にご用意願います。雨具もお忘れなく。
【費用】資料代等・参加費500円
【申込】 [ 申込フォーム]
10月10日より受付開始、先着30名様で締め切らせていただきます(可否は連絡いたします)。
①友の会ホームページより申し込み
②普通葉書に氏名・住所・会員番号・電話番号(ご自宅・携帯とも)を明記して〒330-0073 さいたま市浦和区元町3-32-25-202 寺内慎一宛
【問合】前日まで寺内 090-1545-2848 当日小俣(おまた)090-3436-9017

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【区分】

■ まち歩きクラブ ■

【内容】

越生の「健康長樹」ウォーキング

【概要】 「梅の里」として有名な越生(おごせ)町は、古い旧街道もありますが、越辺川がゆったりと流れる自然豊かな山里です。丘陵地帯には多くの古刹があり馬頭観音や素朴な観音様などの石仏が置かれた古道が通ります。その中に多くの巨樹が隠れ、*埼玉県第一の巨木「上谷の大クス」(右写真)もあります。今回は、町推薦のコースをたどりながら、巨樹と健康にまつわる文化財と自然をまわります。初冬の静かな風景の中を歩きましょう。(* 昭和の「緑の国勢調査」で、全国巨木ランキング第16位、埼玉県では第1位に認定されました)
なお、今回は1時間弱の徒歩2回を含めて合計4時間ほどのコースになりますので「健脚向け」とさせていただきます。昼食、雨具、滑りにくい靴とレジャーシートをご用意ください。
【行程】 越生駅→バス(黒山行 10:18発)→梅園小学校→建康寺(太田道灌創立・銀杏の大木)→大クス山(クスの巨木)周回→越生梅園(ウメの古木・魁雪あり)で休憩・昼食→最勝時(田代三喜の碑)→越生駅方面に→岡崎薬師→越生駅解散
【日時】2024年(令和6年)11月29日(金) 10時~15時頃 *予備日あり
【集合】午前10時 東武越生線またはJR八高線の越生駅西口 観光案内所前(10:18のバスに乗ります)
【費用】交通費は各自負担。保険と参加費用:300円
【申込】 [申込フォーム]
【予備日】11/29が雨天の場合、11/30(土)に延期します。集合時間、予定は同じです。
【問合せ】090-1990-4807 つくい

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 ・送り先:筑井(pu8n-tki@asahi-net.or.jp)