埼玉県立歴史と民俗の博物館友の会 会報 JUNO 179号
2025年(令和7年)02月10日 埼玉県立歴史と民俗の博物館友の会 発行 ☆さいたま市大宮区高鼻町4-219
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<巻頭エッセイ>

想像力を高めよう!

西本豊司(代表理事・さいたま市)

 左の写真は朝焼けと雲海「滝雲」の1シーン。奥只見の銀山平を夜明け前に出発して越後駒ケ岳に向かう登山道からの一枚。圧倒される造形に一瞬は言葉を失うが、やがて大きな自然も人間の延長のような親近感さえ抱かせる。 写真の左端に見える「滝雲」は流れ落ちる雲海の特殊な形態らしい。(2014年10月撮影) 自然が創る絶妙の造形が自然科学への想像力を羽ばたかせるように、博物館が歴史への想像力を育む場になってほしい。
       *
 今から12年前:2013年1月に当会が開催した講演会「古代日本の人口」で歴史人口学者の鬼頭宏さんの講演を拝聴した。講演の中味はあまり記憶していないが、将来の人口問題への講師の強い意識が伝わり、これからの人口変動についても考えようと思ったことを覚えている。 日本の人口は今世紀に入って間もなくピークを迎えてその後は減り始めて久しい。人口が表す「国力」としての捉え方に先ず目が向くが、最近は社会の高齢化が進んでいることに起因する多くの課題が世代間の対立をあおる方向に向かいがちである。しかし人の幸福度追求を社会的に議論してこなかったのが実情ではないか? 人の一生の中で皆が何れは高齢者の立場になる想像力も必要だし、逆に今の高齢者も昔は若年者だったことへの想像力ももっと必要だろう。人口問題は想像力を鍛える練習問題にもなる。
 最近はフェイクニュースや陰謀論の類が世に溢れている。これらは事実を無視した想像力とSNSを武器に暴れ回っているとも言えるが、一方では各人の想像力が弱体化した結果の情報免疫力の低下によるとも言えよう。「仮定の質問には答えられない」という防御的答弁術が議論の深化を妨げると考える私としては、仮定から出発する議論も重視したい。新聞記事によれば、『脳の腐敗』を2024年の単語に選んだという話もあった。そして、『脳の腐敗』の防波堤には歴史への想像力を喚起してくれる博物館こそ中心になってほしいと、ふと思った。
 これらの考えを基に博物館の理想像を考えてみた。そして自戒も込めて想像力を高めたいと改めて思う。
 博物館は時を超えた知識の宝庫、一過性の流行りや過度な情念に引っ張られることなく、我々の来し方行く末を思い定めて、未来に引き継ぐ遺産を正確に根付かせる拠点としての存在、そして、人の想像力の源泉をしっかりした形で与えてくれる存在であってほしい。さらに言えば、地域とその辿った歴史を基本にして多様な人が互いを知るように想像力が結びつける世界を作り出す。手厚い人材養成も欠かさないで未来に向かって進化できる機関になれたら素晴らしい。

[ 記事・写真を募集しています。]

◆会からのお知らせ◆◆

前回の「会報178号」(2024/12/10発行)の配送遅延と今後の配送につきまして。

友の会では会報「JUNO」印刷版の配送をヤマト運輸のクロネコDM便に委託して来ました。ヤマト運輸がDM便の配送を郵便局に再委託することになってもヤマト運輸への委託はそのまま継続し、クロネコゆうメールを利用することにしました。12月の会報はクロネコゆうメールとしては2回目の取扱いでしたが、差し出す際に封書を開封扱いにしていなかったためこれを直して再提出するまでに時間を要し、かつその後のヤマトから郵便局側への引渡しも円滑に行なわれなかったため、会員の皆様の手元に届くまで大幅な遅れが生じてしまい誠に申し訳ありませんでした。
2月10日発行予定の「会報JUNO 179号」印刷版は、配送委託先簡素化の観点からクロネコゆうメール利用を見直し郵便局へ直接持込みすることにして、配送に遅延が生じないよう図る予定でおります。
  現行 :友の会→ヤマト運輸→郵便局→会員
  2月号:友の会→郵便局→会員

新年度<2025年(令和7年)4月~2026年(令和8年)3月>の会員証をお送りしています

◎前号(178号)会報に会費の「振替払込用紙」を同封し、多くの会員から会費の振込をいただきました。2025年1月末までにお支払いいただいた更新会員の方にはこの会報に「新しい会員証」を同封してお届けいたしております。まだお振込でない方には今号にも会費「振替払込用紙」を同封しております。よろしくお願いいたします。また、毎週日曜日に開いている博物館ロビーの友の会受付や友の会主催講演会などの受付にても承りますが、なるべく振り込みでお願いいたします。

5月に当会の総会を開催します

5月の総会は次の日程で開催します。会員の参加をお願いいたします(正式な案内は次号=2025/04/10)になります。
日時:2025年(令和7年)5月25日(日)10時~11時30分
場所:埼玉県立歴史と民俗の博物館講堂
議題:2024年(令和6年)度事業・決算報告/2025年(令和7年)度事業計画・収支予算案
午後(13:30~)は講演会になります。(講師 古泉弘先生(元東京都教育委員会学芸員)テーマ「考古学で見えてくる江戸と東京=予定」

会報の発行について

2024年4月から「Web会報」とし、会員宛てに送信する「Eメール方式」によるデジタル会報を2か月に一度のペースでお送りしていていますが、毎年12月発行号は全会員に郵送による印刷版会報を発送し「会員更新手続きのお願い」を掲載、「振替払込用紙」を同封します。また、次号(翌年2月)には新年度の「会員証」の送付がありますので、今回は会報を印刷し、全会員に郵送による発送を行います。

●博物館からのお知らせや会員の皆様からの投稿は「Web会報」でも変わらず掲載できます。分量に縛られず、写真なども綺麗に掲載できますので、ぜひお寄せください。 ●定期的な会報とは別に、これまでお送りしていましたEメール形式でのお知らせは今後も必要に応じてすべての会員宛てに継続させていただきます。この会からのEメールに対しては直接の返信はとどきませんので、ホームぺージなどに記載してある<友の会への連絡フォーム>でご連絡ください。

●Web会報や会報連絡Eメールが届かない、あるいは不都合がある方は<友の会への連絡フォーム>でご連絡ください。
●新しくEメールアドレスを取得した方、Eメールアドレスを変更した方も<友の会への連絡フォーム>でご連絡ください。

博物館ロビーの友の会「受付」について

2024年1月より博物館ロビーでの「友の会受付業務」を再開しています。原則として毎週日曜日だけになります。

会への連絡は「連絡フォーム」でお願いします(Eメールへの返信や会への電話連絡はできません)
博物館の行事は、直接、博物館に連絡をお願いします。

友の会の活動についての質問や参加の申し込みは必ず友の会の指定のフォームからするようにお願いします。また、埼玉県立歴史と民俗の博物館(以下博物館)自体が行う講演会や見学会については博物館の規定に従って連絡をしてください。

友の会への連絡フォーム]

 ◆開催した行事の報告◆

 ◆今後の予定◆(それぞれの規定にしたがってご応募ください)

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◆イベント案内◆ (規定にしたがってご応募ください)

* 情報は更新される可能性があります(イベントの募集終了・延期・中止など)。
* 実際の申し込みはこちらのリンクからお願いします →[ホームページのイベント案内]。

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【区分】

■ 古道探索倶楽部 ■

【概要】第44回古道を訪ねて 中山道を行く(第9 回)
【日時】2025年(令和7年)3月8日(土)9時30分~解散15時30分頃
【集合】JR高崎線 籠原駅改札周辺 9時30分
【行程】JR籠原駅―国済寺―荒神社―ふるさとの並木道―深谷宿常夜灯―深商記念館―東源寺―深谷駅
【その他】歩行距離は約9㎞、史跡巡りを入れると10㎞です。弁当と飲み物は必ず事前にご用意願います。雨具もお忘れなく。
【費用】資料代等・参加費500円
【申込】 [ 申込フォーム]
2月11日より受付開始、先着30名様で締め切らせていただきます(可否は連絡いたします)
①友の会ホームページより申し込み
②普通葉書に氏名・住所・会員番号・電話番号(ご自宅・携帯とも)を明記して〒330-0073 さいたま市浦和区元町3-32-25-202 寺内慎一宛
【問合】前日まで寺内 090-1545-2848 当日小俣(おまた)090-3436-9017

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【区分】

■ まち歩きクラブ ■

【内容】

さきたま緑道から埼玉古墳群へ

【概要】 JR北鴻巣駅から行田市の「埼玉古墳群」まで約4.5キロの「さきたま緑道」がまっすぐに通っています。直ぐ横を流れるのは利根川の水を埼玉・東京方面に導く大事な「武蔵水路」です。ケヤキやサクラなどの樹々が豊かな並木を形成し、道の諸所にはユニークな彫刻50点の展示もされています。この緑道を抜けると埼玉古墳群です。近年は整備が進み、古墳本来の形が見られるようになっています。さきたま史跡の博物館では新装された金錯銘鉄剣のケースが設置されています。
この古墳群のある「埼玉の地」は埼玉県名発祥の地であり、古代には「さきたま(埼玉)の津」とよばれる河岸があったとされています。この「埼玉の津」は万葉集に詠まれ、古墳群の一角にある「前玉(さきたま)神社」には江戸・元禄年間に奉納された「万葉灯籠」2基があり、側面に万葉集の<埼玉の津に居る船の風をいたみ綱は絶ゆとも言な絶えそね>一首と小埼沼の歌一首が万葉仮名で刻まれています。国内最古の万葉歌碑のひとつです。解読に挑戦してみて下さい。
小埼沼はさきたま神社の少し先にあったとされる古代東京湾の入江の名残りで、正確な場所は不明ですが、かつてそこと思われた場所に宝暦3年(1753年)忍城主阿部正允により万葉歌碑が建てられています。(今回は行きません)
【日時】2025年(令和7年)03月28日(金) 10時~15時頃 *予備日あり
【集合】午前10時 JR高崎線・北鴻巣駅改札口前 集合
【行程】JR北鴻巣駅―さきたま緑道―埼玉古墳群(丸墓山古墳―稲荷山古墳―将軍塚古墳など)―昼食休憩(=さきたまテラスでは軽食も可能です)―さきたま史跡の博物館(200円)見学―前玉(さきたま)神社―バス便―JR行田駅
【費用】交通費は各自負担。保険と参加費用:300円
【申込】 [申込フォーム]
【予備日】03/28が雨天の場合、翌日の03/29(土)に延期します。集合時間、予定は同じです。
【問合せ】090-1990-4807 つくい

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【区分】

■ 古道探索倶楽部/まち歩きクラブ ■

【内容】

修験の里巡りと石仏鑑賞の会

【概要】 さいたま市の緑区中尾・尾間木地区は天台宗別格本山吉祥寺と中世の本山派修験の中心寺院玉林院(明治の神仏分離令で廃寺)などが存在した緑豊かな台地でした。江戸時代この地域独特の子供たちの祭りであった花見堂供養地蔵石仏も散見されます。春の一日、この地域を歩きます。
写真(右)玉林院跡花御堂供養地蔵 (左)内谷墓地青面金剛
【日時】 2025年(令和7年)4月12日(土)雨天の場合は翌・13(日) 集合9時30分~解散15時頃
【集合】JR京浜東北線浦和駅中央改札口周辺
【行程】JR浦和駅(バス)―花月―大聖不動尊―駒形神社―吉祥寺―路傍庚申塔2か所―駒形集会所―内谷墓地―尾間木公民館(バ)―プラザイースト(昼休憩)―中丸自治会館坐像青面金剛―中尾神社―玉林院跡―玉林院墓地花見堂供養地蔵―信成院―広善院―広ケ谷戸庚申塔―広ケ谷戸バス停―浦和駅解散
【その他】2月11日より受付開始、先着30名様で締め切らせていただきます(可否は連絡いたします)
【費用】資料代等・参加費500円
【申込】 [ 申込フォーム]
①友の会ホームページより申し込み
②普通葉書に氏名・住所・会員番号・電話番号(ご自宅・携帯とも)を明記して〒330-0073 さいたま市浦和区元町3-32-25-202 寺内慎一宛
【問合】寺内 090-1545-2848

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会報「JUNO」に掲載する投稿(記事や写真)を募集します。
記事は1000~1500文字程度、写真はJPEG等の画像ファイルで、添付あるいはEメールで直接お送りください。写真のみの場合も文字での若干の説明はお願いします。内容は友の会会報にふさわしいものであれば自由ですが、常任委員会で掲載を判断します。
 ・送り先:筑井(pu8n-tki@asahi-net.or.jp)